ツボを刺激すると、なぜ内蔵の働きが良くなるのか


 内臓をコントロ−ルする神経は自律神経です。自律神経には、交感神経と
副交感神経があって、両者は全く正反対の形で内臓や血管を支配しています。
 たとえば心臓の働きを亢め心拍数を増すのが交感神経、これを抑制するのが
副交感神経です。
 胃腸では、逆にその働きを亢めるのが副交感神経、抑制するのが交感神経
です。両者がうまく釣合って働いている時には内臓も正常に働くことになります。


 この自律神経のセンタ−が脳の奥底にある
脳幹の間脳です。
 交感神経や副交感神経は、脊髄の後角と言
う場所から出て内臓へ向っています。
 この後角には皮膚から来た感覚神経も入っ
て来ているので、内臓に病気があれば、それ
は皮膚の異常として反映されることになります。
 皮膚が内臓の鏡と言われる由来がここにあります。
 逆に、皮膚を刺激すれば内臓の働きが良くなることになります。これがハリ、
キュウや按摩マッサージの原理です。



 内臓からずっと離れていても、その内臓に向う経絡上のツボを刺激すれば
効果が現れてきます。
腕の内側のげき門(ゲキモン)と言うツボを刺激すると、心臓から相当離れて
いるにもかかわらす、刺激をしている間じゆう、心拍数が少なくなって来ます。
また、拇指と人さし指の間にある合谷と言うツボを刺激すれば、その経絡が
向う鼻の周辺や腹部の温度が上ったり、あるいは下ったりします。
このような皮膚の温度分布を調べるために用いられるのがサーモカメラです。
 皮膚温度のわずかな変化を強調するために、
刺激前後のサーモグラムを引き算する技術
(サブトラクション)も利用されています。
 ツボの働きは、このような八イテクノロジ
−の応用によって、だんだん明らかになって
来ました。
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